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大枝アートプロジェクト(OAP)とは?

大枝アートプロジェクト(Oe Art Project=OAP)は、京都第二外環状道路の建設によって失われてしまう大枝の風景に対して、美術や音楽に関わる人間に何ができるかを問うなかから生まれてきたプロジェクトです。
「にそと」と呼ばれる巨大高速道路は、国道9号線の沓掛インターから、京都市立芸術大学の位置する大枝地区をとおって、名神高速の大山崎インターまでつながる計画です。美を探求している人々が集う芸術大学の真横で、美しい大枝の風景が失われていく。この事態を京都芸大の一部の人間が知ったのは2004年のこと。同年、芸大美術学部の「造形計画」という授業のなかで、さまざまな記録や表現によって大枝の「ひと・もの・こと」にアプローチを試みることが始まりました。
まもなく学生たちの活動は授業の枠を越えて独立した動きとなり、地元の人々の協力も得て、2005年5月に自らの手で改装した土蔵で「大枝00」展、同年11月にはさらに大枝の土地そのものも舞台として「大枝01」展を開催しました。

2006年の「大枝02」、2007年の「大枝03」、2008年の「大枝04〜みどりの停留所」は、大学の枠を越え、アサヒアートフェスティバルの一環として全国のアートプロジェクトともつながりながら、美術展、演奏会、実験カフェ、ワークショップ、レクチャー、ガリ版新聞発行など、年間を通じて多彩に展開されました。01、02、03という呼称は、このプロジェクトの継続性を示しています。
2010-2012年は、大枝・大原野地域の魅力を地域内外に伝え、ひとと地域の新たな交流を促進する「ニシヤマ・アートブック・プロジェクト」を展開しました。その成果として、アートブック『大枝・大原野〜みどりの停留所をつなぐ』を刊行しました。(同書はまもなく完売。)

一つの地域には、暮らしを支えるさまざまな技術・素材・文化・そして大地と人間と生き物が織りなす多様なレベルの風景があります。大枝の深い闇、起伏に富んだ扇状地の地形、筍や柿など季節ごとの彩りの変化も、新しい創造のヒントになります。
私たちがめざしているのは、新しい価値の発見や創造という芸術独自の働きを通じて、大枝大原野地域全体を豊かな創造的価値を秘めた「芸術資源」として捉え直すことです。

主催=大枝アートプロジェクト実行委員会
問合せ=OAP事務局 mail: oap@kcua.ac.jp/Tel&Fax: 075-334-2271
助成=京都府地域力再生プロジェクト(財)大学コンソーシアム京都・学まちコラボ事業
(財)まちづくり市民財団
後援=京都市、京都Neo西山文化プロジェクト
協賛=柿ハウス松尾園芸、西京工務店、大原野神社、春日乃茶屋、創作建築工房大五、ツキデ工務店、西村幸二(造園業)

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大枝地域について

kaidou.gif竹と柿の里として知られる大枝(おおえ)は、京都盆地の西南の端、丹波・亀岡への出口の手前、旧山陰道・国道9号線が通る大原野台地の北側と小畑川上流地域に位置します。古くは「大江郷」とも記されたましたが、現在の地名は、明治22年に沓掛・塚原・長野新田の三村が合併されてできた「大枝村」に始まります。
旧山陰道沿いの沓掛(くつかけ)の地名は、旅の安全を祈ってくつをかける習俗に由来すると言われ、文字通りこの地は、都の西の出口でした。その先の老ノ坂峠には、名高い鬼の酒呑童子の首塚があり、南に下ると『竹取物語』の舞台でもあった大原野があります。旧都・長岡京の北に位置するこの地は、平安京ができる以前、奈良の平城京とも古道でつながっていました。

旧山陰道と平行する国道9号線が開通したのは1965年。1970年代には洛西ニュータウン、1980年代には西京桂坂というふうに、大規模な土地開発があいついで行われました。また、三つの文化・教育機関がほぼ10年ごとにこの地に建てられました。1980年の京都市立芸術大学の移転、1990年の国際日本文化研究センターおよび2003年の京大桂キャンパスの創設がそれです。
土地造成がたび重なる大枝の地で、もとの地形や風景を想像することはむずかしいですが、沓掛から大原野にかけての西山の山麓沿いには、豊かな自然と美しい里山の風景が残っています。
しかし、その地で今また高速道路の大造成工事が準備されています。

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京都第二外環状道路について

京都第二外環状道路は、京都縦貫道の沓掛(大枝)ICと久御山ICをつなぐ4車線の高速自動車道で、1989年に当時の建設省によって事業化がなされたものです。2003年にその一部である久御山IC〜大山崎ジャンクション間(京滋バイパス)が開通し、残る大山崎〜大枝間約10kmの事業が本格化しました。

keiji.jpgこの道路計画については、国土交通省の京都国道事務所がホームページをつくって詳しく報告しています(にそとWEB)。その事業進捗図(2006年5月1日)によれば、大原野地区と下海印寺地区を除いて全線の用地説明が終わり、大枝沓掛・大枝西長では測量調査・用地協議の段階に入っています。全線の完成は平成24(2012)年末とされています。
巨大なインターチェンジの建設が予定されている大枝沓掛地区では、2003年末から「道路予定地」の札がはられ、側道と重なる旧西山街道(府道大山崎大枝線)の拡張工事が始まっています(右写真)。そこは京都市立芸術大学グラウンドから目と鼻の先。地元住民への説明会も京都芸大の講堂を使って行われました。

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大枝土蔵

大枝アートプロジェクトの拠点となっているのは、大枝西長町の千丈天満宮の西側にある「大枝土蔵」です。

江戸時代に建てられたと言われるこの土蔵は、もとは京都のお公家さんの衣装蔵だったものを、30年ほど前に大枝の西京工務店の先代の棟梁がこの地に移築したものです。それを倉庫として借りていた地元の美術家・椎原保氏の好意で、2005年春からアートスペースとして改装しはじめ、展覧会、音楽会、実験カフェ、ワークショップなどの活動拠点として活用しています。

傾斜した地面がむき出しだった床には、ブロックと鉄板を敷きならべ、やせた土壁は本格的な左官ワークショップで修復、アプローチは地元から提供を受けた古瓦を用いてデザインするなど、この土蔵自体がOAPのプロジェクト型作品として日々生成途上にあります。
将来的にも地域住民とアーティスト・学生らの交流・実験のスペースとして活用していく予定です。

⇒土蔵改装プロジェクト

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参加メンバー

参加メンバー(2016年1月現在)
西小路 敏(建築士、大枝沓掛町在住)
藤本由紀夫(サウンドアーティスト、京都造形芸術大学教授)
椎原 保(美術家、元京都市立芸術大学非常勤講師)
井上明彦(美術家、京都市立芸術大学教授)
藤本英子(環境デザイン、京都市立芸術大学教授)
藤原康子(美術家)
水口菜津子(京都市立芸術大学大学院ヴィジュアルデザイン専攻修了)
浅野真一(画家、京都造形芸術大学講師)
吉田麻優美(京都市立芸術大学プロダクトデザイン専攻卒業)
小埜栄一郎(生命科学研究者)
廣 有利佳(京都市立芸術大学彫刻専攻卒業)
前田奈央(京都市立芸術大学ヴィジュアルデザイン専攻卒業)
ジェラルド Gerald(アーティスト、フランス)
田中 浩(ガリ版伝承館、蒲生公民館長、東近江市)
久井二三重(春日乃茶屋、大原野神社参道)ほか

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*copyright (c) 2009  大枝アートプロジェクト実行委員会 spacer.gifhome.gif
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