Making of "Maison-Arche"
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制作プロセス making of "Maison-Arche"
20世紀最高の住宅モデルであるル・コルビュジエのサヴォア邸が、地震に伴う洪水で押し流され、雑木林にひっかかったと仮定する。
サヴォア邸のイメージの源泉には船がある。
そこに鴨長明の「方丈庵」のイメージを重ね合わせる。
かくて「家=方舟」。
震災後の気仙沼で見た風景が脳裏に焼き付いていた。
現実には、画廊から指定された2m四方というエリアに、床から2.5m浮遊した「傾いた部屋」をつくる。
部屋は2畳(180x180cm)。
画廊の天上高は450cm。
支柱には、高速道路建設で破壊された大原野の森から集めた雑木を使う。
「部屋」には2〜3人の人間が上って動けるだけの十分な強度が必要だが、画廊のコンクリート床にアンカーは打てないため、支柱が支え合って自立する構造を探る必要があった。
いびつに曲がった雑木を、何の補助材もなく垂直に自立させることができたとき、実現の可能性が見えた。
アトリエで支柱の構造をスタディし、現場で組み立てる。